特集:地域をひらこう!/久保田舞さん

/ 更新日 / 2024.03.29

大石田町 地域おこし協力隊/ 振付家・ダンサー

山形市と近隣の寒河江市、上山市、村山市、天童市、東根市、尾花沢市、山辺町、中山町、河北町、西川町、朝日町、大江町、大石田町を合わせた7市7町はひとつの大きなエリア「山形連携中枢都市圏」として互いに協調しながら、よりよい地域づくりを進めています。このシリーズでは、その山形連携中枢都市圏を形成するエリアで地域をおこす活動をされている方たちにフォーカスし、そこでどんな活動をされているのか、そこにはどんな魅力があるのか、お話を伺います。

今回ご紹介するのは、大石田町で地域おこし協力隊をされている久保田舞さん。日本のみならず世界の各地で活躍してきたダンサー・振付家である久保田さんは、今なぜ大石田のまちに暮らし、どんな活動をし、どんな想いを抱いているのか、お聞きしました。

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久保田さん: この大石田町には私より数年早く、ダンスアーティストの大橋武司さんが地域おこし協力隊として着任されていました。大橋さんは、この地にアーティストを呼んで一定期間滞在してもらい作品制作や上演を行うアーティスト・イン・レジデンスの形態を用いて「大石田AIR」を立ち上げ活動されていました。当時、振付家・ダンサーとしてさまざまな場所で活動していた私は大石田AIRの存在を知り、「面白そうだな」と興味を持ち、それがこの大石田のまちを知るきっかけとなりました。

そんなことからのつながりで、2023年4月、大石田町の地域おこし協力隊となりました。ミッションは大石田駅前にぎわい拠点施設「KOE no KURA」の運営、関係人口の増加、観光物産の振興、移住の促進といったことに貢献すること。これまでダンスで培った経験を生かしつつ、そうしたミッションにつながるようないろいろな企画などを試行錯誤しながらやっているところです。「大石田AIR」の企画運営もそのひとつで、これまでは自分がアーティストでありパフォーマーでしたが、大石田ではそれを受け入れる企画運営側の立場としても活動しています。様々なアーティストを町外、県外、海外から呼び、「まち(地域)とアートが交わり、賑わう場」を考え続けている感じです。私が着任してからはシンガポール、ドイツから振付家/ダンサー、ほかにも映像作家、サックス奏者などのアーティストを受け入れ、大石田町に滞在しながら作品制作や上演や地域住民向けのワークショップを行ったりしました。

このまちに暮らしてみて感じる事は、大石田の人たちがウェルカムな雰囲気で迎えてくれるということです。職人気質でこだわりのある人も多いこと、そして馴染みのないジャンルの企画に対して「なんだろう?」とは思っても、拒絶するようなことはなく、むしろ興味を持ってしっかり見てくれることもとても嬉しいです。

地域おこし協力隊として、今後は、地域の子どもたちも巻き込んで身体表現から体づくりやコニュニケーションや表現を学んでもらえるようなことをやってみたいですね。そのほかにも、アーティスト・イン・レジデンスの農家バージョンのような…アーティストに農家さんの家に滞在してもらい、繁忙期の農家のお手伝いをしてもらって、新しい刺激をインプットできるようなプログラムも、ぜひ始動させたいです。

(写真)久保田舞さん。大石田町の交流施設「KOE no KURA」にて。

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